参照(書籍):『非常識なマーケティング大全』/https://amzn.to/3ZF1qEs
※本稿は書籍レビューであり、成果を保証するものではありません。
【結論】「売上10倍」を信じる前に、この本は“順番の教科書”として読むと強い
「初心者でも一撃で売上が爆増」「売上10倍」「広告費ゼロでも勝てる」。
この言葉だけを“約束”として受け取ると、読み手は一気に危うくなる。期待が先に立ち、確認が飛ぶからだ。
努力は増えているのに、設計が増えていない。
伸びない側で起きているのは、たいていこれだと思う。施策は回しているのに、順番が固定されていない。
章立てを見ると、この本は“魔法の一手”というより、マーケの全体像を 順番で通す 作りになっている。
集客→顧客理解→問題解決→差別化→エンゲージメント→ブランディング→仕組み→見た目→コピー→チャンネル、という流れは、迷子を戻す導線として素直だ。
結論としてはこう。
この本は「10倍」を取りに行く本ではなく、まず「何から手を付ければいいか分からない」を剥がす本として相性が良い。
*全体像を“順番”で一度通したいなら → https://amzn.to/3ZF1qEs
「集客第一主義」から始める:本書の骨格を3行に圧縮するとこうなる
章立てが明確なので、骨格は圧縮できる。
- まず集客(第1章・第2章)で、入口の設計を外さない
- 次に市場=人(第3章)/問題解決(第4章)で、顧客の解像度を上げる
- その上で差別化(第5章)・関係性(第6章)・ブランド(第7章)・仕組み(第8章)・見た目(第9章)・コピー(第10〜11章)・チャンネル(第12章)へ進む
つまり「やり方の前に、見方を揃える」。
レビューでも「図が多くテンポが良い」「重要な要点が山盛り」「参考書的に戻れる」といった評価が並んでいるのは、この“教科書設計”が効いているからだろう。
「再現性抜群」の誤読ポイント:伸びない人ほど“部分最適の努力”に吸われる
ここが私としては、一番大事な注意点だと思っている。
「再現性抜群」は、手順があるという意味では心強い。
ただ、読み手がやりがちな誤読はこうだ。
“自分に足りないのは施策(テクニック)だけ”だと思い込み、目立つ章だけをつまみ食いする。
「再現性」を“同じ結果”だと思った瞬間に、改善は止まる。
再現性は、結果のコピーではなく、検証して直せる“型”のことだと思ったほうがいい。
たとえばコピー(第10〜11章)だけ強化しても、
「誰のどんな問題を解くか」(第3〜4章)が曖昧なら、言葉は鋭くならない。
差別化(第5章)だけ詰めても、
入口の集客(第1〜2章)が設計されていなければ、そもそも届かない。
“人の心を動かす仕組み”という言い方も同じで、
仕組みは一発技ではなく、連結された工程だ。
だから、この本は「全部やれ」ではなく、「順番を崩すな」と読むのが安全で効く。
章立てが親切な本ほど落とし穴がある:「分かった気」だけが先に来る
レビューには「4時間で一気に読めた」「中高生でも理解できるレベル」「読みやすい編集」といった声がある。
これは美点だが、落とし穴も作る。
図解が親切すぎる本ほど、理解した気になれる。そこが怖い。
読みやすさは、行動の雑さとセットで来ることがある。
読みやすい本は、“理解した気になれる速度”も上がる。
そして理解した気になると、行動が雑になる。
雑な行動は、結果が出ない。
結果が出ないと、「自分には才能がない」に着地してしまう。
本書の「集客第一主義」も、誤読すると危険だ。
集客だけ増やしても、提供価値(第4章)と差別化(第5章)が薄ければ、利益が残らない。
この本が本当に言いたいのは、集客“だけ”ではなく、集客を起点に全体をつなぐことだと捉えたい。
向く人/向かない人:この本が効くのは“現場”より“設計”で詰まっている人
向く人
- SNSや広告に触れているのに、何を改善すべきか分からない(全体の地図が欲しい)
- 集客→販売→提供→リピートの流れを、いったん整理したい
- 難解なマーケ用語ではなく、図解と具体で掴みたい
- 差別化・見せ方・コピーを「手順の一部」として整えたい
- 迷ったら戻れる“参考書”が欲しい(レビューで多い評価)
向かない人
- 「これだけやれば勝てる」一発技だけが欲しい
- 自分の事業の前提(誰の何を解くか)を触りたくない
- 地道な見直しより、バズや流行の小技を追いたい
買う前チェック(最大5点)
- 12章を“辞書”ではなく“順番”として通す気があるか
- 第3〜4章(人/問題解決)を、施策より先にやる覚悟があるか
- 第5章(差別化)を「言い換え」ではなく「提供価値の設計」として扱えるか
- 第10〜11章(コピー)を“万能”にせず、前工程の結論として扱えるか
- チャンネル(第12章)を増やす前に、仕組み(第8章)を固める発想があるか
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最後に問い:「売上を伸ばす」前に、あなたは何を“固定”したいのか
売上を伸ばす話は、派手だ。
派手な話ほど、「すぐ変えたい」気持ちを刺激する。
でも、本当に効くのは、変えるより先に固定することだったりする。
誰に、何を、どんな言葉で約束するのか。
その順番を固定できる人から、施策が“当たり外れ”ではなく“改善”になる。
あなたが増やしたいのは売上? それとも、やってる感?
この問いに一度だけ答えられると、次に読む章が変わる。
では、あなたが今ほしいのは——新しい手法だろうか。
それとも、迷わない順番だろうか。



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